音程の精度を上げる
弦楽器共通の練習法

- 音程がなかなか良くならない
- そもそも正しい音程がわからない
そんなお悩みはありませんか?これは、ヴァイオリンに限った悩みではありません。ヴィオラでもチェロでも、 フレットがなく、自分で音程を作る弦楽器なら、誰もが通る道 です。そして、その解決のための考え方も、3つの楽器に共通しています。
一言で「音程が取れない」と言っても、そこにはいくつかの段階があります。まずはご自身がどのレベルにいるのかを考えてみましょう。今日は、どのレベルにいる方にも効果のある練習法をお伝えするので、ぜひ試してみてくださいね。
1. 「音程が取れない」のレベル
レッスンで生徒さんにゆっくり弾いてもらうと、正しい音程が取れていないのに、先に進んでしまうことがあります。その様子を見ていて、「音程が取れない」にも、いくつか段階があるのだなと感じました。初級レベルから順に書くので、自分がどのレベルでつまずいているのかを、考えてみてください。
- シール (目印) を見ないと、指を置く場所がわからない
- シールがなくても音程が取れるポジションと、シールがないと取れないポジションがある
- シールがなくても大体の音程は取れるが、レッスンで「少し高い/低い」とよく言われる
- チューナーで見るとほぼ正しい音程が取れているが、楽器の響きが少ない
このレベル分けは、ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロのいずれにも当てはまります。楽器が違っても、上達していく道すじは同じなのです。
2. 正しい音程が取れるようになるための練習
どのレベルにいる人も、ぜひ次の練習を試してみてください。音と音の響きを丁寧に聴き、指の感覚を感じながら練習すると、次の効果が得られます。
- 楽器の響きが増える
- 正しい音程が取れているときの、音と指の感覚がわかる
音程は「目」で合わせるもの (シールやチューナー) だと思われがちですが、最終的には 「耳」と「指の感覚」 で取れるようになることが目標です。この練習は、その土台を作ります。なお、音程を聴き分ける耳そのものを育てたい方は、耳の訓練 もあわせてご覧ください。
3. 練習方法
練習方法は、 「開放弦の音 (1〜2オクターブ上も含む) を、すべての指で弾く」 。たったこれだけです。「え…? それで音程が良くなるの?」と思った方。騙されたと思って、試してみてください。
弦楽器は、自分で音程を作れる楽器です。だからこそ、同じ「ド」でも、そのとき弾いている和音や調によって、正しい「ド」は変わります。ただ、 開放弦と同じ音 (オクターブ違いも含む) は、基本的には開放弦とよく共鳴する音程を取ると良い ことが多いです。表情をつけるために、少し暗めに取ったり、明るめに取ったりすることもありますが、まずは基準となる「開放弦と共鳴する音程」を、体に覚え込ませてしまいましょう。
これをすべての指で行うことで、 指の置き方によって響きが変わること を、はっきり感じられるはずです。正しく共鳴したとき、楽器全体がふわっと鳴る――その感覚を、耳と指で探していきます。
この「共鳴する音程を耳で探す」という考え方は、和音 (重音) を綺麗に鳴らすときにも、そのまま活きてきます。詳しくは和音 (重音) を綺麗に響かせるコツ をご覧ください。
楽器による違い
この練習は、 3つの楽器すべてで同じように行えます 。開放弦と共鳴する音程を探すという原理は、まったく共通です。ただし、いくつか補足があります。
チェロ・ヴィオラは低い音域を持つため、共鳴 (うなりが消えて音が開く瞬間) が、ヴァイオリンよりゆっくり大きく感じられる ことがあります。これは、共鳴を聴き取る練習にはむしろ有利です。体に響くほどはっきり「ハマった」と分かる瞬間があるので、その感覚をじっくり味わってください。
また、 チェロは指と指の間隔 (音程の幅) が広く、左手の使い方もヴァイオリン・ヴィオラとは異なります。 そのため、同じ「すべての指で」でも、手の形や移動の仕方は変わってきます。無理に指を広げて力むと、かえって音程が不安定になるので、自然に届く形を先生と確認しながら進めるのがおすすめです。
ヴィオラ は弦が太く、楽器もヴァイオリンより大きいぶん、指の間隔がわずかに広くなります。ヴァイオリンから持ち替えた方は、その差に慣れるまで、この開放弦の練習がとても役立ちます。
まとめ
音程は、本当に奥深いテーマです。今日はまず、ご自身のレベルを認識していただき、聴覚と触覚を研ぎ澄ませながら、今回の練習を試していただければと思います。
- 「音程が取れない」には 4つのレベル がある
- 目標は、 耳と指の感覚 で音程を取れるようになること
- 開放弦と共鳴する音程を、すべての指で確認する 練習が効果的
- これらはヴァイオリン・ヴィオラ・チェロに共通 する
Academy Customize では、ヴァイオリン・ヴィオラ・チェロのいずれも、それぞれの専門家が指導しています。レッスンでは、あなたのレベルや楽器、手の形に合わせて、より具体的なアドバイスをいたします。「音程がなかなか安定しない」というお悩みも、まずは体験レッスンにてご相談ください。
