体全体も楽器として鳴らすために
体幹と姿勢の整え方

みなさん、「楽器をいかに鳴らすか」は、よく考えることだと思います。でも、弾いている 体が縮こまっていたり、バランスが崩れていたり したら、楽器を鳴らしきることは難しいものです。楽器だけを鳴らそうとするのではなく、体全体を楽器の一部として響かせる――そんな意識が、豊かな音につながります。
そこで今日は、体と楽器が一体となって、最大限に音を鳴らすための意識のアイディアと、その練習法をまとめました。この内容は、 ヴァイオリンとヴィオラに共通 します。どちらも立って構える楽器なので、姿勢やバランスの考え方は同じです。ヴィオラは楽器が大きく重いぶん、体全体でしっかり支える意識が、より効いてきます。
後ろ (背中) の意識
みなさんは、視界に入る体の「前」だけでなく、体の 「後ろ」 (背中) にも意識 がいっていますか?楽器も弓も自分の前にあるので、意識が前に行くのは当然のことです。でも、 背中の左側だけが前に出ていたり、体をひねったりした状態 で弾くと、楽器を十分に鳴らして、豊かな音を出すことはできません。前と後ろ、両方の体をバランスよく使うことが大切です。
体の後ろを意識する練習方法
背中を意識するために、少し変わった姿勢で弾いてみましょう。
1. 寝っ転がって弾いてみる
背中が床に自然とついて、リラックスした状態で弾いてみましょう。このとき、音が汚くなったり、うまく鳴らせなかったりするのは当然なので、まったく問題ありません。目的は、 背中に意識を向けたときの、背中の状態を感じる ことです。
2. 壁に背中をつけて弾いてみる
次に、壁に背中をつけて弾いてみます。どうですか? 背中の感覚は、さっきと変わったでしょうか。
※ 1・2の練習は、弓の先が床や壁に当たらないよう、十分に気をつけてください。全弓は使えないはずです。
3. 普通に弾いてみる
上の2つができたら、いつものように立って弾いてみましょう。 背中がリラックスして、体をひねっていない感覚 を感じられますか? この「背中を意識した状態」を、普段の演奏でもキープするのが目標です。
バランスよく立てているか
日常生活で「自分はバランスよく立てているだろうか」と意識することは、あまりないですよね。無意識のうちに、うまくバランスを保っているからです。でも、楽器を弾いているときはどうでしょう? 楽器を構え、腕を動かすという特殊な姿勢の中で、足元がおろそかになっていることは少なくありません。
- 足と地面は、どのように触れていますか?
- 重心は、足の裏のどのあたりにありますか?
まずは、この2つを意識してみてください。
良いバランスを見つける練習方法
心地よいバランスを探すための練習を、2つ試してみましょう。
1. 屈伸しながら弾いてみる
膝を曲げたり伸ばしたりしながら、弾いてみましょう。はじめは大きく上下に動かし、 徐々にその幅を狭めていきます 。動きながら弾くことで、「どの位置がいちばん安定して、音が出しやすいか」を体で探れます。心地よいバランスは見つかりましたか?
2. 片足で立ちながら弾いてみる
まずは、楽器を構えずに片足で立ってみましょう。意外と、これだけでも難しいと感じる方がいるかもしれません。それができたら、今度は 片足で立ちながら弾いてみます 。バランスを保ったまま弾こうとすると、自然と体幹が働き、重心への意識が高まります。両足に戻したとき、さっきより安定して立っている感覚があるはずです。
まとめ
- 楽器だけでなく、 体全体を楽器の一部 として響かせる意識を持つ
- 前だけでなく 背中 (後ろ) にも意識 を向ける
- 寝る・壁につけるなど、姿勢を変えて 背中の感覚 をつかむ
- 屈伸・片足立ち で、心地よいバランスと重心を探す
- これは ヴァイオリン・ヴィオラに共通 する
体全体が自由に、バランスよく使えるようになると、楽器はもっとよく鳴ってくれます。音づくりに行き詰まったときは、楽器だけでなく、自分の体にも目を向けてみてくださいね。
体をバランスよく使うには、まず余計な力が抜けていることが前提です。あわせて体の緊張をとく練習 もご覧ください。また、弓を動かす動作も体幹と深く関わっています。肩甲骨から動かすために で、背中から腕を動かす感覚を確かめてみてください。
Academy Customize では、ヴァイオリン・ヴィオラのいずれも、それぞれの専門家が指導しています。姿勢や体の使い方は、実際に見てもらうことで、大きく改善することが多いものです。「もっと楽器を鳴らしたい」「音が小さいと言われる」といったお悩みは、ぜひ体験レッスンでご相談ください。
