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ぐちゃぐちゃの原因とは【アンサンブル編】
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ぐちゃぐちゃの原因とは【アンサンブル編】

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ヴァイオリンのヒント
目次

オーケストラや室内楽を弾いていて、「ぐちゃぐちゃだな」と感じること、ありませんか?ぐちゃぐちゃと感じる原因は何なのでしょうか。今日は考えられる原因をまとめてみたいと思います。

  1. 縦がそろっていない
  2. 音程が合っていない
  3. 音量のバランスが悪い
  4. 音色がそろっていない

原因1 縦がそろっていない

縦がそろっていない、というのは言いかれば拍の変わり目がそろっていないということです。拍の変わり目、音の変わり目が揃っていなければ、楽譜に書かれている響きとは異なる響きがする瞬間が生まれてしまうため、「ぐちゃぐちゃだな」と感じるでしょう。

縦を揃えるためには、まず同じテンポ感を共有することが大切です。4拍子の曲の2拍目をみんなで同時に弾くためには、その前の1拍目がそろっている必要があります。拍の変わり目をそろえようとするのではなく、1,2,3,4という拍子のテンポ感をまずは共有しましょう。

テンポ感を共有できたら、次は拍感を共有します。4拍子の曲の場合、1拍目が一番強く、3拍目が2番目に強くなります。また4拍目は次の1拍目に向かう意識があると良いです。このように同じ拍でも、何番目の拍か、何拍子の拍かによって拍の強さは変わります。この拍の強弱を共有できていると縦はそろいやすくなります。

原因2 音程が合っていない

同じ音を弾いているのに音程がそろっていなかったり、ドミソの和音をみんなで弾いているのに、ドの音を弾いている人の音程だけが低かったりしたら、ぐちゃぐちゃに聴こえます。

アンサンブルの編成によって合わせ方は異なります。ピアノなど自由に音程を変えられない楽器が入っている場合には、その楽器の音程に他の楽器が合わせます。弦楽四重奏のようにどの楽器も音程を自由に変えることのできる楽器のみでアンサンブルをする場合は、和音の根音と第5音をまず綺麗に響くように合わせ、その響きの中に第3音を入れます。この時、長三和音なら第三音は少し低め、短三和音なら第三音は少し高めにとると、綺麗に響くことが多いです。(このお話しは少し知識が必要なので、詳しく知りたい方はレッスンをご受講ください)

原因3 音量のバランスが悪い

メロディーを弾いている楽器よりも伴奏形を弾いている楽器の音量が大きければ、ぐちゃぐちゃに聴こえるでしょう。

特にオーケストラでは音量のバランスが悪い、というのはよく起きる現象です。その為、指揮者が客観的にオーケストラ全体の音を聴き、バランスを調整するのです。

原因4 音色がそろっていない

1人は柔らかい音を出しているのに、1人が固い音を出していたら、「ぐちゃぐちゃだな」と感じるでしょう。「弓のスピードや弓の場所をそろえましょう」と言われるのは、音色を統一するためです。

出したい音色のイメージを共有すること、そしてその音色を出すためにどのように弾くか(弓のスピード、場所、音の長さ、ヴィブラートの量等)を話あうことは、美しいアンサンブルをするために欠かせません。

まとめ

本日はアンサンブルを弾いていて、「ぐちゃぐちゃだな」と感じる時に考えられる原因をまとめました。アンサンブルをしていて「なんだか美しくないな」と感じたら、この4つのヒントを参考に原因を探ってみてください。

この記事に書いた4点を気を付けるだけでもかなり神経を使う作業ですが、全員の息のあったアンサンブルができた時の気持ちよさを一度味わったら、きっと「またあの瞬間を味わいたい!」と思うはずです。

Academy Customizeでは、個人レッスンはもちろん、アンサンブルレッスンも受け付けています。まずはこちらにお問い合わせください。

著者
吉川 采花
東京藝術大学音楽部器楽科卒業。ウィーン市立音楽芸術大学修士課程修了。Hamamelis Quartett 第二ヴァイオリン奏者。
2021年、音楽レッスンサービス Academy Customizeを立ち上げる。現在は東京を拠点に演奏活動をしながら、全国各地で後進の指導にあたっている。

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