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0番と4番
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0番と4番

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ヴァイオリンのヒント
目次

突然ですが質問です。

ヴァイオリンには0番でも4番でも弾ける音があります。

  • G線のレ
  • D線のラ
  • A線のミ

(全て1stポジション)

「音階を弾くとき、これらの音はどちらの指で弾いていますか?」

そんな初歩的なこと知ってるわ!と思った方… まぁそう言わずに最後まで読んでいただければ幸いです!

1. 小野アンナ

実際に音階教本を見てみましょう。 多くの方が1番最初に手にする教本、小野アンナ。

上りは0番、下りは4番になっていることがわかります。

2. カール・フレッシュ

では高校や大学の入学試験でも課題に出るカール・フレッシュはどうでしょう。

あれ、こちらは上りが4番、下りが0番になっていますね…

3. ヴァイオリニストのバイブル

ヴァイオリニストのバイブルとも言える本があります。

「カール・フレッシュ著 ヴァイオリン演奏の技法 音楽之友社」です。

今は恐らく絶版になっている為、入手することが容易ではありません。

技術はもちろん、効率的な練習方法やフィンガリングの考え方、本番との向き合い方まで、ヴァイオリンを弾く人が抱える全ての悩みに理論的に答えている本なので、もし良ければ読んでみてください。

なんとなく概要を知りたい方はこちらも参考にしてみてください。

https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/41638/files/8724

(C.フレッシュのヴァイオリン奏法の特質 -「応用技術」を中心として- 髙旗健次)

4. 音階のフィンガリングの変化

さて話を本題に戻します。 前述の本の中で、カール・フレッシュはこう記しています。 (一部編集しています。)

4番と開放弦のどちらを選ぶべきかという考え方は、スチールE線が好んで用いられるようになってから変化した。

スチール弦が使われる前は

  • 開放弦は音色が明るく便利だという理由から4番よりも好まれた。
  • 移弦をできるだけ強拍と一致させるために開放弦が選ばれた。
  • たった1つの音の為に移弦をすることは避けた。

スチール弦が使われるようになり、考え方は変わる。なぜならスラーの中で上の弦に移弦する時に開放弦を弾くと、しばしば音が出ないからだ。よってこのような場合にはできるだけ4番を用いるが、他の3本の弦については今まで通りの規則をそのまま当てはめる。

5. まとめ

今日は0番と4番について考えてみました。 音階だけでなく、曲の中でもどちらを使うべきか迷うことがあるかと思います。

使用している弦の種類によっても適切な選択は変わるので、ここでは断定的な結論はあえて書きませんでした。 ただ自分の得意、不得意だけで選択せず、根拠を持って適切な指遣いを決められると良いですね。

著者
吉川 采花
東京藝術大学音楽部器楽科卒業。ウィーン市立音楽芸術大学修士課程修了。Hamamelis Quartett 第二ヴァイオリン奏者。
2021年、音楽レッスンサービス Academy Customizeを立ち上げる。現在は東京を拠点に演奏活動をしながら、全国各地で後進の指導にあたっている。

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